そこでおすすめなのが点滴療法という選択肢。
この記事では、ビタミンCの点滴とサプリメントの違いと、おすすめポイントをご紹介します。
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最大の違いはビタミンCの「吸収率」
結論からいうと、ビタミンCの摂取において、サプリメントより点滴療法のほうが効果が高いといえます。
私たちの体内に入ったビタミンCは、活性酸素(いわゆる身体のサビの原因)を中和させたり、コラーゲン生成に利用されたり、様々な酵素の働きを助けたりなど、数えきれないほどさまざまな働きをします。
ただし、口から一度に大量に摂取した場合には、すべてが吸収されるわけではありません。通常のビタミンCは消化・吸収できる量が決まっており、それを超えると吸収されず尿から排出されてしまいます。また、一度に大量のビタミンCをサプリメント等で飲むと、お腹を下してしまうケースもあります。
一方で、点滴でビタミンCを投与した場合は、血液中に直接ビタミンCを入れることができるため、消化・吸収の制限を受けません。そのため、経口の場合と比べて数十倍もしくはそれ以上の高いビタミンC血中濃度を得ることができます。
これにより、単に「身体に良い」だけでなく、プラスアルファの様々な効果が期待できるのです。
そもそもビタミンCとは?
ビタミンCは、水溶性のビタミンの一種で、化学的にはアスコルビン酸と呼ばれます。ビタミンCは人間の体に必要不可欠な栄養素で、主に新鮮なフルーツや野菜に多く含まれています。熱に弱いので、加熱・加工された食事からはほとんど得ることができません。
ビタミンCは、あらゆる体組織の成長、発達、修復に必要不可欠な栄養素です。コラーゲンの形成、鉄分の吸収、免疫システムの適切な機能、怪我の治癒、肌・軟骨・骨・歯の健康など、多くの身体機能に関与しています。
また、ビタミンCは、高い抗酸化作用を持った成分で、フリーラジカル(活性酸素)と呼ばれる有害な分子や、有害化学物質や汚染物質によるダメージから身体を守ってくれる抗酸化物質のひとつです。フリーラジカルは体内に蓄積されると、ガンや心臓病、関節炎など、様々な病気の原因になると言われています。
ビタミンCが不足すると、身体の様々な機能低下や生活習慣病になりやすくなることに加え、疲労感やストレス耐性の低下、筋力の低下など、様々な症状の原因になります。重度のビタミンC欠乏症は壊血病と呼ばれ、歯茎や関節からの内出血や出血を引き起こします。現代社会において重度の欠乏症は稀ですが、加工食品やファーストフードなどの偏った食事を続けていると、ビタミンCはすぐに不足してしまいます。
食事やサプリメントや点滴でビタミンCを補充することは、身体全体の機能を保ち、様々な病気を予防するために非常に大切です。
高濃度ビタミンC点滴とは?
高濃度ビタミンC点滴は、美容やアンチエイジング治療としてだけでなく、副作用のない体にやさしいがんの治療法としても注目されている治療法です。
高濃度ビタミンC点滴は、高用量のビタミンCを点滴によって体内に届けます。サプリメント等の経口摂取の数十倍の量を血管内に行き渡らせることができるため、経口摂取とは異なるレベルの薬理学的効果が期待できます。
具体的には、コラーゲン生成の促進やメラニン生成の抑制など多くの美容・健康効果や、かぜの予防、アレルギー症状の軽減、疲労回復、口腔内や体内の炎症鎮静、歯周病の予防などにも有効です。また、ビタミンCの持つ高い抗酸化作用から、一部の慢性疾患や生活習慣病の予防・治療においても効果が期待できます。
高濃度ビタミンC点滴は、12.5g以上の大量のビタミンCを配合した点滴で、多くの場合、マグネシウムなどの補助的な栄養素も含まれます。
ビタミンCを点滴で体内に入れると、ビタミンCの働きで活性酸素が中和されます。活性酸素は細胞を酸化させて病気や老化の原因になるため、これを中和させるビタミンCの抗酸化作用は細胞レベルから体を元気にしたり、老化を防いだり、免疫力をアップしたり等の効果が期待されます。
現代の生活において、食品添加物や化学物質、紫外線や大気汚染、電磁波、タバコ、ストレスなど、活性酸素を増やす要素が多々あります。活性酸素が過剰になりがちな現代人にとって、ビタミンCはなくてはならないものなのです。普段から活性酸素が増えやすい生活環境にある方ほど、食事などで摂取したビタミンCはすぐに体内で使われてしまいます。
そのような場合は、定期的に点滴でビタミンCを補充することで、効果がより実感できるでしょう。
こんな人には高濃度ビタミンC点滴がおすすめ
免疫力の向上や疲労回復など健康を強化するビタミンC点滴。コラーゲンの生成促進やメラニン生成の抑制、抗酸化作用により、美肌・アンチエイジング、歯周病の予防や治療にも効果が期待されます。また、がんの原因となる活性酸素を無毒化してくれるので、がんの予防や治療にも効果が期待されています。 健康のためにビタミンCを摂りたいと思う人のなかでも、より高い効果を得たい、早く効果を実感したい、積極的に病気を予防したい、サプリで効果を感じない、といった人には、高濃度ビタミンC点滴がおすすめです。また以下に挙げる症状のある方はぜひ医師と相談して、高濃度ビタミンCを検討してみてください。
■疲れやすい。慢性的に疲労感や倦怠感がある
■不眠に悩んでいる。ねつき、寝起きが悪い
■風邪をひきやすい。インフルエンザなどの感染症を予防したい
■肌のくすみ、シミが気になる
■肌に張り、ツヤがない。たるみや毛穴の開きが気になる
■肌荒れやニキビがある
■アトピー、アレルギー性皮膚炎がある
■鼻炎、花粉症等の症状がある
■抜け毛が増えている。髪のコシ、ツヤがない
■お酒を飲む機会が多い、二日酔いを改善したい
■喫煙している
■ストレスによる体調不良がある
■食欲不振がある
■関節や歯茎などに炎症がある
■がんや心臓病などの病気を予防したい
■その他、下記の症状や病気がある:
■自律神経失調症
■加齢黄斑部変性症
■肝斑、肝硬変
■脂肪肝
■過敏性腸症候群
■線維筋痛症
■突発性難聴
■帯状疱疹
■不感症、勃起不全
など
■高濃度ビタミン点滴による、がん、アンチエイジングの効果や副作用等について、
詳細はこちらの記事もご参照ください。
【美白・美肌】グルタチオン点滴(白玉点滴)の効果は?気になる副作用やお値段も
【高濃度ビタミンC点滴】医師が勧めるあきらめない「がん治療」
【医師監修】がん治療法の新たな選択肢「高濃度ビタミンC点滴」とは
【アンチエイジング】若さの秘訣!点滴療法で年齢に負けない体作り
歯周病や口臭にも効果有!ビタミンC点滴でお口から健康を見直す
こんな人にはサプリメントがおすすめ
点滴療法は高い効果が期待できる一方で、クリニックや病院に通院する必要があります。目的によって頻度は異なりますが、目安として美容・健康維持の場合は2週間に1〜2回程度、何らかの症状の予防・治療のためには1週間に1〜2回程度、医療機関に通って点滴を継続する必要があります。
また、点滴は保険診療外になるので、数千円~数万円の費用が掛かります。費用は、目的、ビタミンCの質や量、医師の技量、クリニックの設備や場所など、様々な要素によって異なります。
通院する時間が取れない、費用の負担が難しい、という方には、サプリメントによる補助もおすすめです。ただしサプリメントは吸収率や品質に大きく差があるため、メディカルサプリメントを選択したり、点滴などの栄養療法を実践している医療機関から購入するなど、良い製品を選ぶことが重要です。
高濃度ビタミンC点滴の注意点
高濃度ビタミンC点滴は、副作用が非常に少ない点も魅力のひとつです。
他の点滴療法と同様に、針を刺した部位の痛みや内出血が起きる場合がありますが、軽度な場合は短期間で改善するので問題ありません。点滴が始まって強い痛みがある場合は、薬剤が血管の外に漏れている可能性があるので、すぐに医師やスタッフに伝えるようにしましょう。
妊娠中・授乳中の方など、一部の人は高濃度ビタミンC点滴を受けられません。高濃度で点滴を受ける場合は、必ずG6PD検査と呼ばれる血液検査を受ける必要がありますので、注意しましょう。多くの医療機関で、25gもしくは50g以上の点滴を行う場合に検査が実施されます。
また、ごく稀に、血管痛を予防する成分を配合しないなど、正しい施術方法を知らずに点滴をしているクリニックも存在します。点滴療法研究会では、点滴の講習を提供し、必要な知識を持った上で点滴を行うように、会員医師と共に取り組んでいます。心配な場合は、点滴療法研究会の検索サイトから、お近くの会員クリニックや、認定医資格を持ったクリニックを検索してみてください。
点滴もサプリメントも、正しいクリニック選びが大切
ビタミンCを補充する方法としてサプリメントと点滴の違いをみてきました。ビタミンCをサプリ等で経口摂取するのと、点滴により血管内に取り込むのでは、血中濃度で10から100倍以上と大きな差があります。ビタミンC血中濃度を飛躍的に上昇させると短時間で全身に行き渡り、高い抗酸化作用が得られ、美肌・アンチエイジングなどの美容効果、様々な疾患の予防・治療、身体機能の改善に効果が期待できます。
点滴は、回数を重ね、高い血中濃度を得ることで高い効果が得られますが、一方でサプリメントは日々の生活のなかで栄養素を気軽に補完できるので、点滴をうけられない間のホームケアにおすすめです。
いずれの方法をとる場合でも、医師の指導を仰ぐことで、効果を高めることができます。また、点滴療法の場合は、正しく管理された薬剤を正しい方法で提供しているかどうかによって、効果が変わってきます。
点滴療法のクリニック選びには、点滴療法研究会が発行している認定医資格も参考になります。点滴療法の正しい提供方法など複数の講座を受講した上で試験に合格したクリニックだけが与えられる認定医。クリニック選びに迷った場合は認定医資格をもつ医師、歯科医師のクリニックから選ぶのが安心です。
点滴療法研究会ホームページのクリニック検索をぜひご活用ください。