血液オゾン療法の概要
治療の概要
オゾン療法には、様々な適用方法と適応症があります。代表的な方法は、50〜100mLの血液を採取し適量なオゾンと反応させたのちに、点滴で体内に戻す方法で、大量自家血液オゾン療法(Major Autohemotherapy, MAH)と呼ばれます。通常オゾン療法といえばこのMAHを指します。
MAHは、⽼化や病気に対抗する成分を「⾃ら作る」ように細胞に働きかけ、⾃然治癒⼒を回復させる治療法で、免疫力の改善、酸素化の促進、抗酸化作用の向上、細胞活性化などのほか、様々な作用があることがわかっています。採血時の血液がオゾン注入によって鮮やかな赤色に変わることから、血液クレンジング療法と呼ばれることもあります。
MAHの他にも、オゾンガスの局所注射や、直腸注入、オゾンガス浴やオゾン化したオイルの塗布など、様々な治療法があります。
歴史
オゾン療法自体は、すでに100年以上前から臨床応用されています。自家血液オゾン療法は1961年にドイツで開発され、様々な疾患の治療として用いられるほか、自然治癒力を回復・強化する療法としてヨーロッパでは広く一般に行われています。古い歴史を持つこの治療は、すでに数多くの臨床研究があり医学的根拠に基づいた治療法です。英国のエリザベス女王の母君クイーンマムが、老化予防のために定期的に血液オゾン療法をお受けになっておられたことでも有名で、その安全性・有効性は広く認知されています。
目的・適応疾患
オゾンを活用した治療例の一覧
プロトコル
点滴療法研究会では、アメリカ最大のオゾン療法学会であるThe American Academy of Ozonotherapy(AAO)と提携し、AAOの推奨する自家血オゾン療法プロトコルの日本語版を作成しています。
治療頻度は疾患の種類や程度によって異なりますが、例えばがんの術後など免疫力の向上を目的とする場合には、週に1〜3回の施術を一定期間行うのが一般的です。健康増進やアンチエイジング目的の場合には、月に1〜2回の治療を続けることで効果が維持できます。自家血液オゾン療法は治療回数を重ねるごとに治療効果の増強が現れる傾向があります。
1回の治療時間は20分から45分ほどです。
注意事項
■ 自家血液オゾン療法の禁忌
オゾン療法を実施する医療施設では、これらの問題がないかを事前に確認した上で行います。
・未治療の甲状腺機能亢進症
・G6PD欠損症
・心筋梗塞急性期
・血小板減少症 など
■ 自家血液オゾン療法の禁忌
一定量(約100ml)の血液を一旦採取しますので、当日はなるべく水分を摂取したうえで来院するように案内します。また、ビタミンCなどの抗酸化物質を事前に摂取していると、反応させたオゾンが消去されるため、自家血液オゾン療法の前には摂取を控えて下さい。治療後には問題なく服用頂けます。
使用機器
オゾン療法には、オゾンガス生成機器を使用します。医療現場で使用する機器はドイツやアメリカ等、海外から輸入したものになります。日本国内でも数種類の機器が流通していますが、ここでは例としてドイツのHumares社の機器の資料を掲載します。
仕入れ業者情報など、ご不明点がありましたら点滴療法研究会事務局までご連絡ください。
同意書
症例