エキスパートインタビュー
ダミアン・ダウニング 英国生態環境医学会会長。医師。個人と環境そしてその健康について研究する環境医学 (Ecological Medicine)について臨床研究を続けている世界的権威の一人。20年間、The Journal of Nutritional and Environmental Medicineの編集に関わる。現在は、癌のチャリティ団体’Yes to Life’ チーフメディカル顧問として、また、The Orthomolecular News Serviceの編集委員としても活躍。著書に、太陽の光とビタミンDの健康への作用についての理解を示したDaylight Robbery(1986)やThe Vitamin Cure for Allergies(2010)などがある。2012年より点滴療法研究会国際ボードメンバーに就任。
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1.点滴療法を始めたきっかけを教えてください
文献を読んで、もう30年近く前になりますが、マイヤーズカクテルからスタートをしました。正直、どう効果的かなども含め解明されていない部分がまだ多かったのですが、確かなことは、点滴療法によって疲れきった病気の患者たちが人生の希望を取り戻し、幸せそうにクリニックを去ることができるようになっていたことです。後に、ライナス・ポーリング博士の高濃度ビタミンC療法も取り入れて欲しいという要望が患者からでてきたので、ビタミンC療法もスタートをしました。また、最近では、友人であるスティーブン・ヒッキーやロン・ハニハイキ、そして柳澤先生など信頼できる彼らの様々な栄養療法の話も非常に勉強になっています。
2.いつ、どこで、点滴療法を最初に学びましたか?
1977年~1980年の間、南太平洋諸島で仕事をしていた時にフレッシュなココナッツからのココナッツ水を直接使った点滴に関する文献に出会いました。ココナッツの皮をむき、実から直接点滴ができるようにセットし、反対側には通気孔をあけます。ココナッツ水は理想的な点滴にすら思えました。殺菌力もあり、浸透圧も心配なく、ミネラル豊富、そして高すぎることのない糖質が得られます。試したのはほんの数回ですが問題は全くありませんでした。どんなハイテク技術よりも自然の恵みの素晴らしさを教えてくれたように思えました。
3.点滴療法で劇的に回復したなど、忘れられない患者はいますか?
どの患者というわけではなく、回復している患者をみると、いつも喜びを感じています。もっと早く点滴療法が使われていたら、ヘロインなどの薬物を使う事もなかったのだろうと思っています。
4.イギリスでの点滴療法の広まりはいかがでしょうか?
ドクター内よりも患者内での広まりの方が大きいと感じます。患者内の口コミで特に癌の患者に点滴療法が広まっています。
5.日本の放射能を取り巻く状況についてどう思われますか?
被爆対策DVDにも参加させていただきましたし、柳澤先生の取り組についてとても賛成です。特に福島にいる作業員の方達の健康については、全員で対策を考えて彼らをサポートすべきだと思います。
6.点滴療法研究会の国際ボードメンバーとしてメッセージをお願い致します
常にエキサイティングな活動をしている柳澤先生の仲間に入れることは、とても嬉しいことです。日本でのアクティブな活動を誇りに思い、その熱意をいつまでも忘れずに進んでいただきたい。メンバーのみなさんとお話をするためにも、日本での研究会の活動を知る為にも、いつか日本で皆さんにお合いできたらと思っております。